綾辻行人の「奇面館の殺人」を読みました。人形館は思ったのと違って微妙、黒猫館は島田に終始苛々させられて微妙、暗黒館は怪奇幻想色が濃くてちょっとだけ微妙、びっくり館は完全にファンタジーホラーで論外、と微妙続きだったので、ちょっとした幻想要素は入れつつ、最初の頃の館シリーズに戻っていたのは良かったです。なかなか事件が起きない上に連続殺人事件じゃなかったのは残念でしたが。思い込みを利用した叙述トリック系の部分が、斜め読みする自分でも気付くくらい簡単なのは少し残念。でも、上下巻を4日で読み終わる程度には面白かったです。文章も面倒臭い言い回しが無くて楽だし、黒猫館で大いに苛つかせてくれた島田の「そんな事も分からないのかい?」的な上から目線もなかったですし。